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すべては薄明のなかで

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タイトルである「すべては薄明のなかで」は武満徹作曲のギター曲です。

 

ジュリアン・ブリームの委嘱によって作曲されたこの曲は、パウル・クレーというスイスの画家の絵をモチーフにして作られたものです。

副題に「Four Pieces for Guitar」とありますので、それぞれの曲の区切りは、楽章として見るより独立した4つの作品(ピース)として考えてもいいかもしれません。しかし4曲それぞれの関連性も強く、全体としてドビュッシーのような印象主義的なものを感じます。

 

この曲は、自然ハーモニクス・人工ハーモニクス、拍のとり方、消音、和音の響かせ方、音色、その他・・・に気を使わねばならず、技術的にも表現的にも要求されるレベルは非常に高いものとなっています。

具体的に、第一曲などでは左手の拡張や右手が跳躍する人工ハーモニクスを迫られる場面が多く、拍子も2.5/8(小数点拍子!)、3/8、4/8、2/8などがコロコロと入れ替わります。

その上で音色(スルポンティチェロ・スルタスト)の使い分け、ダイナミクス、アーティキュレーションにも気をつけなければいけません。

 

この曲の校訂はジュリアン・ブリームによるものですが、細やかな指示がとても効果的で、この曲にはこの表現しかありえないとまで思わせてくれます。

ジュリアン・ブリームっぽいところをあげるとするならば、スルポンとスルタストの使い分け方、第一曲目の終盤のアルペジオで6弦がD→G#の大胆なポルタメントをするところなど・・・

しかしどこまでがジュリアン・ブリームの手によるものかは分かりません。

 

静寂の中に消えていくハーモニー、また時折現れる調性感が大変美しく、実際に弾くとその美しさが感じられます。

前述の通り、流れに沿って弾くのは非常に大変な曲ではありますが、部分的に抽出して弾くのであれば、慎重にハーモニクスを探せば十分に美しさは感じられるかと思います。

ぜひ皆様にもお試しいただきたい曲です。

ちなみに個人的にですが、意外にも暗譜は比較的しやすい曲ではないかと思います。

 

さて、余談ですが、今度の10/12のセレンディピティさんでのコンサートで、無謀にもこの「すべては薄明のなかで」の第一曲目を弾く予定です・・・

どこまでこの曲の魅力に迫れるかはわかりませんが、美しさを少しでも感じていただけたらと思っています。

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