ギターコンペティションに向けて
2020年の2月に書いたこちらの記事
が最近良く読まれているので、これから出場される方や、
もうすでに終わって、見事金賞を取り3月に東京で演奏される方、
または残念ながら思うような結果が出なかった方に向けて、
差し出がましいですが、演奏内容に着目して私からいくつかのアドバイスを記しておきます。
なにかの参考になれば幸いです。
目次
・曲選択は適切か
弾きなれた曲や好きな曲を選択するのが無難。
ただ、あまりにも技術的に平易・容易なものは避けた方がいい。
(金賞をとることが目的ではなく、ただ人前で弾きたいとか、ステージ慣れのためや、あえて難曲にトライするのであれば別。)
どうしても結果が欲しい場合、ロマン派~近現代から聴き映えのする派手な曲を選ぶのも手。
バロック、古典は粗が目立ちやすいので、自信がないと結構きつい。
・フレージング、アーティキュレーション、ダイナミクスは適切か
多いのが「記号が書いてあるからやっている」みたいな演奏。
なぜそこにフォルテやピアノがあるのかをまず考えてから表現に移す。
クレッシェンド、デクレッシェンドは単なる強弱ではなく呼吸法や音の流れを示している場合もある。
フレージングは特に重要。文章みたいなもの。
手っ取り早い確認方法はメロディを歌ってみること。
ただし、日本語とは言語の違いがあるということに留意。
ほとんどの音楽が西洋音楽の理論に基づいているということを忘れずに。
・音の拾い間違いが無いか
暗譜したつもりでも見返してみると音の取り間違いがあったりする。
臨時記号が多い箇所はあらためてしっかりと見直す。
意外と多いのが和音のミス。
例えば長和音を属七で弾いたり、属七を減七で弾いていたり。
ありえないと思うかもしれないが、ギターでは音が結構隣接しているので和音ミスが意外と多い。
種類を間違えないよう気を付けて。
・音色の使い分け、声部の弾き分けができるか
たとえば、長調と短調を同じ調子で弾いていたりしていないか。
その時々の調において、どのような音色が合うか検討しておくこと。
例えば、曲想にもよるが、長調から短調に転調したのに、長調の音色で弾き続けるのはやはりそぐわない。
また、ギタリストは声部の弾き分けがおろそかになりやすい。
全部一本調子で弾かずに、メロディ、伴奏、バスをよく区別して弾き分けること。
同時に、トータルのバランスもよく考えること。
立体的に。ポリフォニックに。
・和声感があるか
詳細なアナリーゼまでする必要はないが、カデンツ、特にD→Tの動きは注意。
緊張と緩和が逆にならないように。
その他、偽終止や半終止がある場合は「なんとなく」で終わらせない。
借用和音や転調がある場合、明確に区別しておくこと。
同様に、ゼクエンツの処理にも注意。ただ弾き流してしまわないように。
・拍子感はあるか
拍子が持つ性格をよく考えること。
また、アウフタクトが感じられない演奏にならないように。
曲の性格・性質が何なのかをよく考えておくこと。
踊りなのか、歌なのか、祈りなのか、そのどれでもないのか、なんなのか。
偉そうに書きましたが、私も本番だと上記のことはほとんど意識できません。
しかしながら、練習のときから「なんとなく」みたいな理由で処理を進めると行き詰ります。
結果も出ません。
いやというほど経験したので言えます。
練習の時だけでも、できるところから意識してもらえれば、必ず演奏が変わってくると信じております。
がんばってください。
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