発表会を終えて
7/17に静岡aoiで行われたギター発表会の所感です。
(だいぶん遅きに失した感じはありますが・・・)
まず、子どもの生徒さんたちについて。
基本的に、子どもの生徒さんには今のレベルより上の曲に挑戦してもらうことにしているのですが、
皆頑張ってこなしてくれました。
音色の使い分けや、ダイナミクスもちゃんと本番でつけられ、本当に凄いなと思います。
大人の生徒さんも、持ち味を活かした演奏を発揮してくださったり、
表現をとことん意識して演奏してくだった方も。
すでに来年を見据え、ますます意欲的になってくれる方もいたりして、楽しみです。
私は今回はピアノとのデュオでやらせていただきました。
正直なところ、ギターとフルコンサート用のグランドピアノの音量差は如何ともしがたいです。
ピアニストの方には、蓋を全部閉じた上で、ごく弱く弾いてもらっていましたが、それでも厳しい。
今回は「ステージマスター」というPAシステムをお借りして演奏しましたが、
無ければ恐らくほとんどギターの音は聴こえていなかったかもしれません。
PAを使わないとなると、マイクを使ってしまうか、音が良く通るダブルトップのギターでもないと厳しいと感じます。
お互いギターの音が全く聞こえない中での演奏でしたので内心ヒヤヒヤでした。
選曲も、1曲目に関してはちょっと誤ったかなと思います。
(ポンセの「ギターとハープシコードのためのプレリュード」)
もともとチェンバロとギターのための曲なので、こうなることはある程度想像がついていたのですが。
ピアノパートの動きが激しく、音域や音質も被るため、ギターの音がほとんど聴こえてなかったかと思います。
2曲目に関してはギターのための協奏曲なので、
(カステルヌオーヴォ=テデスコの「ギター協奏曲第一番」)
各パートの音の割り振りもばっちりで、上手く作られているなと感じました。
こちらに関しては、ギターの音は十分に届いていたようです。
ギターとピアノは両方とも和声楽器で、なかなか上手いアンサンブルをするのに苦心するのですが、
それだけやりがいがあるということで、また次の機会があればさらに研究してみたいと思います。
最後に。
あらためて思うことは、セゴビアはじめ、巨匠と言われる人はやはり凄い。
当時(戦前)のステージ環境やPAの有無は知りませんが、
録音を聞く限りでは、オーケストラ相手でも十分な音質と音量をもって演奏できたのでは?と感じます。
文字通り、「音が通る」のです。
もちろん選曲や楽器の差はあるかと思いますが、やはり重要なのは右手のタッチ、音色の使い分けでしょうか。
「音量」という土俵では絶対にピアノやオーケストラに勝てないのですから。(山下和仁だったら話が違いますが)
彼らのオーセンティックかつ伝統的な奏法を、今一度考えてみる必要がありそうです。
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