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影響を受けたギタリスト その2「ジェリー・マギー」

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私が影響を受けたギタリストについて好き勝手に語るコーナーです。

その1「チャック・ベリー」

 

 

ベンチャーズのリードギタリストといえば、ノーキー・エドワーズジェリー・マギーが挙げられるでしょう。1960年代中盤の、日本のエレキブームの火付け役となったノーキー。まさしくキング・オブ・ギターです。一方、ジェリー・マギーは日本でのエレキブームが去った1968年にベンチャーズに加入。それまではデラニー&ボニーのサポートメンバーや、スタジオミュージシャンとしてもっぱら活動していました。

 

・・・迷いました。第二回目は、ノーキーにしようか、ジェリーにしようか。

でもやはり、私にとってのギターヒーローは『ジェリー・マギー』その人なのです。

 

1997年。きっかけは思い出せないのですが、衛星放送のWOWOWでベンチャーズのコンサートを放映していたのを見て、私はノックアウトされました。ワイルド・アゲイン・コンサートと銘打っていたのを覚えています。まだ私は小学生だったのですが、とにかく格好良かったんです、彼らが。そしてその時のリードギタリストはジェリー・マギー。当時、フェンダー・ジャパンから彼らのシグネチャーモデルが出ていて、ジェリーモデルのストラトキャスターがとても欲しかったのを覚えています。

 

後に、このコンサートの再放送をビデオテープに撮り、ひたすら再生して食い入るように見ていたのを思い出します。しばらく父親の持っていたクラシックギターで弾き真似をしていたのですが、そのうちエレキギターが欲しくなり、静岡市の街中にある楽器店に買いに行きました。フェルナンデスのエレキギターで、アンプや小物とセットになっている入門用のギター。お世辞にも質のいいものとは言えませんでしたが、当時の私にとっては十分でした。エレキギターを買ってからは、ひたすらビデオを見てジェリーの指使いを研究して、ビデオと一緒に弾いたりしていました。クルエル・シー、10番街の殺人、朝日のあたる家などはコピーできたのですが、Wham!という曲だけはどうしてもコピーできませんでした。

03 Wham – Ventures Wild Again Concert 97

まあ、後からこの曲、スティービー・レイ・ヴォーンが元だと知ります。そりゃコピーできないよね。(もしかしたらレイ・ヴォーン版も誰かのコピーかもしれませんが。大元知ってる方誰か教えてください)レイ・ヴォーンのファンの人には申し訳ないけど、私は今でもこの時のベンチャーズ版の方が格好いいと思っています。なんか、いい意味でベンチャーズっぽくないんですよね。これ。

 

そう、語弊があるかもしれませんが、私がジェリーに惹かれた理由のひとつに、「ベンチャーズっぽくない」というところがあるのかもしれません。日本でのベンチャーズのイメージは残念ながら『テケテケエレキバンド』というところがあるかと思います。パイプライン、ダイヤモンドヘッドなどはギターをやる人なら結構な割合で知っています。でも、ジェリーの技巧が冴え渡る”Carry Me Back”や、”Katana”とかを聴いてみてください。

Carry Me Back – The Ventures – 1969

Katana · The Ventures

とてもクールです。おりしも、当時はハードロックやプログレッシブロックなどが台頭してきており、時代背景もあるかもしれませんが、このジェリーの『ベンチャーズっぽくない』ギターワークは今聴いても本当に秀逸だと思います。

 

1968年、リードギタストがノーキー・エドワーズからジェリー・マギーに代わり、例年のベンチャーズコンサートでは空席も目立ち、否定的な意見も少なくなかったと聞いています。しかしその後ベンチャーズは『京都の恋』や『雨の御堂筋』など、日本の歌謡界に曲を提供し、大ヒットしました。これらは、一説にはジェリーの作曲とか。

 

正直なところ、ベンチャーズから離れたジェリーの方が私は好きです。1973年、ベンチャーズを離れたメル・テイラーやジョン・ダリルと結成したダイナミクス。このCDはいまだに聴いていますが、ジェリーがベンチャーズ時代より生き生きと弾いているのがなんとなく分かります。あとはソロの時も彼は凄いんですよ。

Gerry McGee Playing his song “Hurry Up And Wait”

申し訳ないけど、ベンチャーズの時のジェリーは真価を半分も発揮できてないんじゃないんじゃないかな、とすら思えます。

 

他に、クラプトンなんかとも演っています。

エリック・クラプトン&ジェリー・マギー「Further On Up The Road」

何より凄いのが、いつどこで聴いてもジェリーの音って分かること。自分だけの音を持っているんです。なんか粘っこくて、泥臭いんですけど、それが本当にクセになる。これはジェリーのお父さんがケイジャンミュージシャンというルーツによるかもしれませんね。

 

残念ながらジェリーは2019年、日本でのツアー中に体調を崩しそのまま帰らぬ人となりました。私もジェリー時代に2回ほどベンチャーズのライブに行きました。『朝日のあたる家』を演奏する時に、客席に降りてくるのが定番なのですが、周囲から「ジェリー!」と呼ばれるたびに素敵な笑顔を振り撒きつつ、手元も見ずにバリバリ弾きまくっていたのを思い出します。その昔、ライブのMCで司会者に「幸せの国から来た男」なんて呼ばれていたりしたみたいですけど、まさに言い得て妙。

 

私のギター人生にも、ジェリーは存分に幸せを振りまいていってくれました。

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