タブ譜ってご存知ですか?
タブ譜について
ギターにはタブラチュア譜(通称:タブ譜)と呼ばれる楽譜があります。
これは押さえる位置を数字や記号で記載した楽譜で、ポピュラー音楽の楽譜ではメジャーな記載法です。
市販のバンドスコアなどを見てみると、ほとんどにタブ譜が併記されています。
鍵盤楽器と違い、ギターは同じ音が出せるポジションが複数あって、
例えば1弦の開放弦の「ミ」は、2弦の5フレットでも出すことができますし、3弦の9フレットでも出すことができます。
これがギターの醍醐味でもあるのですが、複雑なところでもあります。
その煩雑さを解消したのが、タブ譜というわけです。
タブ譜の歴史は意外に古く、14世紀以降に使われ始め、
現在でもリュートやビウエラの演奏にはタブ譜が使われていることが多いです。
タブ譜のデメリット
初心者でも視覚的に音を捉えることができて便利ですが、タブ譜にはデメリットが多いのも事実です。
まず、タブ譜では音を直感的に感じることができません。
数字だけでは、どんな音が出るのかイメージすることがなかなか難しいのではないかと思います。
次に、タブ譜には大抵五線譜も併記されていますから、情報量が倍になります。
短い曲なら良いですが、長い曲になると相当な譜面の長さになってしまいます。
また、併記すると楽譜が小さくなりますから、読むのに苦労することも多いです。
3つ目に、ギターの醍醐味が薄れてしまいます。
同じ音が出せるポジションが複数あるからこそ、ギターの表現力が活きるのであって、あらかじめ数字で弾く場所を指定されてしまうと、この面白みが無くなってしまいます。
タブ譜でも弾く位置を変えればいいだけの話ですが、初学者にはなかなか難しいのではないかと思います。
4つ目、これは人によるかもしれませんが、個人的にタブ譜だと暗譜がしにくいのです。
五線譜は図形として捉えることができるのですが、タブ譜だとそうはいかないというのが理由かもしれません。
5つ目、これが一番重要ですが、応用が効きません。
クラシックギターの楽譜には、タブ譜が記載されていないものが多いです。
タブ譜ばかりに慣れてしまうと、いざ五線譜を見たときに戸惑ってしまいます。
最後に
なんかタブ譜の批判ばかりになってしまいましたが、初心者でもわかりやすい記載法だからこそ、
タブ譜はギターの間口を広げてくれたという功績を忘れてはいけません。
簡易に弾くにはやはり最適だと思いますし、必要であれば、あとから五線譜の読み方を学んでいっても全く遅くはありません。
最近タブ譜で「良く出来てるな」と思った楽譜があるので、少しご紹介して終わることにします。
(特にこの楽譜の回し者というわけではありません!汗)
ヤマハミュージックから出版されてる「TAB譜で弾ける!クラシックギターディズニー名曲集30」です。
タブ譜/五線譜 併記ですが、比較的大きく見やすいです。
この編曲はかなりよく出来ていると思います。編曲者は江部賢一さんで、非常に定評のある方です。
その分難易度もかなり高く、例えばハイ・ホーの編曲は一見単純なように見えて、消音に神経を使わねばならず大変です。
中級~上級向けです。
追記・・・編曲者の江部賢一さんは2015年にお亡くなりになったそうです。大変残念です。お悔やみ申し上げます。
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