お問い合わせはこちら上記がつながらない場合は054-266-5276
営業時間:10:00~21:00 | 定休日:不定休
メールでのお問い合わせ電話番号

演奏中に考えるものは

category: ブログ

人の演奏を見ると「何を考えながら演奏をしているのだろう」と、ふと考えることがあります。

 

僕の場合、大きく捉えると特に何も考えていないのですが、

細かく分析していくと、考えなしには演奏はできないと思うのです。

 

今日は自分の演奏を覚えている限りで細かく分析してみたいと思います。

 

先日のAOIの発表会を例にします。

まず舞台袖から出る前に身だしなみをチェックします。

舞台袖から出ます。緊張のせいで心拍数が上がっていくのが感じられます。

僕は視力が悪いので観客席はあまり見えませんが、なるべく席を見ないでお辞儀を深くします。

チューニングをします。今回は音叉を使いました。一音一音はあってなくとも、ハーモニーがあってりゃいいかという気持ちで、弾く曲(バリオスのクリスマスの歌)の調のコードを確認します。

弾きます。

緊張と心拍数の関係か、演奏が幾分はやくなり、ノンレガートで進行してしまいましたが、マイナーからメジャーに移る手前の部分にさしかかったところで、「ここだけは表現を」という感覚がふと湧き出て、ダイナミクスがとても上手く使えたように思います。

何と言うか、弾いているときは「半分考えず、半分考えている」というなんとも文にしがたい感覚です。

カメラマンさんのシャッター音とフラッシュは感じられます。またひどい顔で写ってんだろうなあ、とか一瞬考えますが、不思議なことに演奏には全く影響しません。

あと、お客様の咳も分かりますが、こちらも演奏には全く影響しません。

必死になると自分自身しか見えなくなってきます。

 

緊張に伴う神経系の作用か、そろそろ鼻水が出てきました。

鼻をすすりながら二曲目の準備に移行します。観客席は見ません。

チューニング、ギターの構え方、その他自分ができることに集中します。

二曲目は最後のトレモロです。

もうこのときは緊張はほぼありませんが、鼻水がやはり出ます。鼻をかむわけにはいきませんから、我慢します。

表現に関して余裕も出てきて「最初は扉を強く叩くように今日は強く行くか」という考えがどことなくありました。日によって弱いときもあります。

最初はすすり泣くようなトレモロで弾き、繰り返しは「後生ですからお願いします!」という気持ちを込めて強くします。

鳴らない音やミスタッチが確認できましたが、音楽の流れはとても良かったので全く気にはなりませんでした。

・・・良かったのか、この辺はあまり覚えていません。

しかし、最後の方になるにつれ、チューニングが段々と狂ってきて、必死の抵抗で左手の弦を押し下げたりして(チョーキングのような感じです)ピッチを調整しようとしますが、それもかなわず、最後のEメジャーの和音が濁ってしまいました。

演奏中、左手でペグを回してチューニングしたい気持ちがあったのですが、音楽が途切れたり、ど忘れするのが怖くてなかなか踏み切れません。特にこの曲は左手に余裕がなく、することができませんでした。無理にしていたらおそらく流れが崩壊していたと思います。

演奏が終わります。

余韻を残します。ここも音楽の一部だと思っているので、大切にします。

顔を上げます。立ちます。お辞儀をします。

感謝の意を込めて、演奏前のお辞儀より深くすることを心がけています。頭まだ薄くなってないよな、とか少し考えながら。

鼻水をすすりながら退場します。

舞台袖でどっと疲れます・・・。

 

最近になって、ようやく自分の演奏を客観的にみることができつつあるのですが、

舞台で披露するということは、思考力・精神力を非常に使います。

10代や20代前半の頃までは勢いで演奏できたのですが、最近はそうもいきません。

その分、圧倒的に演奏に深みは出たのですが、演奏中観客席を眺める余裕があった、あの頃が少し懐かしく思います。

この記事をシェアする:

この記事のカテゴリー: ブログ