山下和仁さんのギターリサイタルに行ってきました
昨日(11/30)東京の紀尾井ホールでおこなわれた、山下和仁さんのギターリサイタルに行ってきましたので、簡単にレポートします。
私は17:30に会場に到着しましたが、既に何人かちらほらと・・・開場は18:30ですが、入口は18:00に係員の方が開けてくれたので、寒い思いをせずに済みました。同日に笛のコンサートもおこなわれていたようで、そちらも盛況でした。
ホワイエでは物販コーナーがあり、絶版CDなども販売されていました。一度にかなりの量を買われていった方も・・・
開演前。ステージにぽつんと椅子一台だけ用意されているのが、なんとも言えぬ緊張感を観客にまで与えてくれます。ホールの広さは、私の地元の静岡AOIの大ホールくらいでしょうか。音響も良いです。
会場には第一線で活躍されているギタリストもちらほら見受けられ、いかに今回の公演に注目と期待が集まっていたかが伺えます。
以下、セットリストです。
第1部
(山下和仁ソロ)
ソル:モーツァルトの魔笛の主題による変奏曲Op.9
ソル:エチュードより3曲、Op.31-22・31-18・31-19
(山下和仁・山下紅弓デュオ)
ソル:幻想曲「ランクラージュマン」Op.34
ヴィヴァルディ(山下和仁編):2つのマンドリンのための協奏曲ト短調RV532より第2楽章アンダンテ
リムスキー=コルサコフ(山下和仁編):交響組曲「シェエラザート」より第2楽章カランダール王子の物語
第2部
(山下和仁ソロ)
山下光鶴:Cora、蓮、濤
バッハ(山下和仁編):無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番BWV1003
アンコール
ソル:エチュードよりOp.6-12
以下私見です。
音の密度が凄すぎます。音に音が目一杯詰まっているかのような、一音一音の芯の太さが印象に残ります。もちろんテクニックやダイナミクスも凄かったのですが、私は一音一音の芯の強さにしびれてしまいました。
特にソルのエチュードに、山下の真骨頂があると思います。極端なほどホール側(というより、もはや指板の上)で弾いたかと思えば、今度はブリッジすれすれの所で弾いたり・・・大砲のような爆音を出したかと思えば、ささやき声のような音で弾いてみたり・・・無茶と思えるような速いテンポで弾いたかと思えば、極端なほど遅いテンポで弾いてみたりと・・・あのようにソルのエチュードを弾く人(弾ける人)は、少なくとも私は今まで見たことがなかったです。
山下和仁=超絶技巧、のようなイメージを持たれている方が多いかと思いますが、実際に演奏に触れてみると、その表情の豊かさにびっくりすると思います。
娘の山下紅弓さんとのデュオも聴き応えがありました。紅弓さんは19世紀ギターのような、小ぶりなギターを抱えて登場。基本的にメロディを紅弓さんが弾き、伴奏を和仁さんが担当していました。なにより、紅弓さんの音色の美しさ!とくに高音は甘露を思わせるような響き。ところどころ、ギターを立てるような仕草をするのもお父さんそっくりだな~と感じました。
山下のとてつもない集中力にあてられたのかわかりませんが、会場を出る時少しクラっとしてしまいました。良い意味で、とても聴き疲れました。山下を評するに、言葉では陳腐になってしまいそうなので、あえてまとめません。是非、機会があれば生で聴きに行ってみてください。
~おまけ~
ホワイエに置いてあったツリーと、紀尾井ホール向かい、ホテルニューオータニのクリスマスツリー。開場を待っていた時、「ホテルニューオータニのツリー、右側要らんよね・・・」と道行く人が話していました。たしかに、なんかバランス悪いような・・・
紀尾井ホールを見上げた所。シンメトリーになっていて、美しい構造です。撮影してくれと言わんばかりに、街路樹が避けていたので撮ってみました。
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