演奏記号を調べよう!
はじめに
楽譜を見ると、「allegro」とか、「piano」とか書かれているのを目にしたことはありませんか?
これらは演奏記号とよばれるものです。
たとえば、アレグロは「速く弾く」というイメージを持っている方が多いかと思います。
ところが、よーく調べていくと、そうとも限らないことがありますので注意が必要です。
演奏記号の種類
演奏記号には例えば、
強弱記号・・・音の強弱を示すもの
速度記号・・・テンポを表すもの
発想記号・・・表現方法を表すもの
その他反復記号、アーティキュレーション、装飾記号などがあります。
実際に調べてみよう
上記のallegroは速度記号として知られていますが、発想記号でもあります。
アレグロの言葉の意味を調べてみましょう。
演奏記号はイタリア語で書かれていることが多いですから、上記のような伊和辞典や独和辞典を持っておくといいでしょう。
新品を買わずとも、古本屋やAmazonのマーケットプレイスで、比較的安価で手に入ります。
ちなみに私は両冊とも500円以内で手にすることが出来ました。(送料込み)
allegro(形容詞)
1・陽気な、快活な
2・(会話、劇などが)陽気な、楽しい;(部屋などが)明るい、気持ちの良い
3・(考え、想念が)明るい、朗らかな
4・みだらな、軽はずみな、気持ちの悪い
5・のんきな、だらしない、無思慮な
(名詞として)
アレグロ、急速調、prestoとallegrettoの中間速度
言葉のイメージを求めて
なんとびっくりじゃないですか。
陽気な、快活なという意味が1番に来てはいますが、みだら、気持ちの悪い・・・なんて意味もあるとは。
今調べるまで私も知りませんでした。
陽気なものは、見方によっては軽薄だということでしょうか。
推測に過ぎませんが、一種のスラング的な用法かもしれません。英語のbadに「素晴らしい」なんて意味がありますよね。
こう見ると、allegroは単なる速度記号ではないことがわかります。
音楽としては「速く・快活に」というものとして間違っていないかもしれませんが、
果たして、正確にアレグロのイメージを持って演奏することができるでしょうか?
ここに西洋人と日本人の演奏の違いがあるような気がしてなりません。
曲の理解を深めていくには言葉の意味をより深く考えてみるといいでしょう。
例えば、以前の記事でも書きましたが「dolce」という発想記号の意味。
「甘美に・優しく」と捉える人が多数かと思いますが、イタリア語の名詞的用法では菓子です。
ドルチェを優しく弱く弾いてしまうと、少し意味合いが違ってきてしまうのではないかと思うのです。
こってりとして、しつこく、くどい、菓子だってありますよね!
おわりに
その都度意味やイメージを考えていくのが音楽家としての正しい姿ではあるのですが、
そうは言っても、いちいち辞典で調べるのはなかなか大変です・・・
「独・仏・伊・英による音楽用語辞典(シンコーミュージック)」上記の一冊がなかなか便利です。
これは過去に入手したものですが、Amazonのマーケットプレイスでも比較的安価で販売されているようです。
当然、辞典と比べると表面的な意味しか載っていないのですが、サイズもコンパクトで、さらっと知るのには便利です。
その他、スマートフォンで調べるのも良いかもしれません。ただ、ネットの情報は不確定な要素が強く、
あまり強くはおすすめできません・・・
こうした演奏記号を調べて、自分の演奏に反映させるのも音楽の醍醐味の一つだと思いますので、
ぜひ深く追求して、自分なりのイメージで曲を仕上げてみてくださいね。
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