五周年
2023年2月1日で当教室は5周年を迎えます!
ということで、ざっくりとではありますが初心忘れるべからずということで、今日に至るまでの経緯を覚え書きしておきます。
5年前の2018年2月1日。
曇天の寒い日でした。税務署へ開業届を出しに行ったのをつい昨日のことのように思い出します。心までは曇ってはいかん、よしやるぞ!と意気込んではいたものの、もちろん最初からそうそう上手く行くはずがなく、人伝てで2ヶ月後にやっと1人目の生徒さんが入会してくれました。
このままでは…ということで、各所に挨拶に行って名刺を配ったり、チラシを配ったり、演奏活動を頑張ってなんとかもがいていましたが、どれも効果はいまひとつ。
ふと、とある動画で見た「人間万事塞翁が馬」という言葉が妙に頭に残りました。端的に言うと「悪いこともあれば良いこともあるし、何が良くて悪いかはその場ではわからないものだ」という意味ですかね。「禍福は糾える縄の如し」なんてのも近いニュアンスかと思います。
でも、自分の持っているものは馬でも縄でもないし、5年やって芽が出なかったらやめよう、と思っていました。
2018年8月にこのホームページを開設。これが一番功を奏し、ちらほら問い合わせが来だしたのが2019年の3〜4月頃だったと記憶しています。裏を返せば、2018年2月に開業してから約1年経っても生徒が数人だけで、ほとんど教室として体をなしていなかったことになります。
ギター講師というのを他人に名乗るのも、正直当時は嫌だったんです。こんなんでも曲がりなりにも「プロ」ですから、厳しい目で見られる。だけど、厳しい目で見られたくない。そんな中途半端な気持ちが自分の中であったのを覚えています。今思えば、みっともないプライドだったと思いますけど。
そんな中途半端なプライドでやってる指導だから、せっかく入った生徒さんがすぐ辞めてしまったりなんてことは多々ありました。当時の生徒さんには本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
そんな中、富士でもレッスンを開始。これが2020年の3月頃、コロナウイルスが騒がれ始めた時です。
どうなることかと思いましたが、皆コロナ禍で家にいることが多くなり、余暇に回す時間が増えたということで、急激に生徒が増えだしたのがこの頃でした。あまり喜ぶのも不謹慎かもしれませんが、教室の運営という意味では本当に幸運でした。
生徒さんも増え、教える立場ではありますが、逆に生徒さんに教えられることが多く、本当に色々な物の見方があるなということを感じ、なんとなく自分にとっての指導方針が見えて来たのもこの頃。
方針も固まって来たし、順調に生徒さんも増えてるし、さあコロナが明けたら発表会!と意気込んではいたものの、2020年4月、まさかの緊急事態宣言。完全に出鼻をくじかれました。
生徒さんにもお休みしてもらう他なく、ギターから離れていってしまうのでは…という不安がとてもありました。しかしそれは杞憂に終わり、皆レッスンを心待ちにしていてくれて、全員戻って来てくれました。あの時は本当に嬉しかった。
ただ、コロナ禍はその後も中々終わる気配はなく、発表会をやるタイミングを失ってしまいました。でも今思えば、このタイミングで発表会をやらなくてよかったと思っています。だいぶん調子に乗っていましたから。
発表会の機会はしばらく失われましたが、自分自身は常に舞台に立って緊張し失敗せねばならん、定期的に苦渋を味わうべきだという思いと、ギターは弾いてナンボという思いと、まあ色々その他雑多な思いがありまして、教室を始めて講師になってからもコンクールには挑戦していました。
でも、参加すること自体どうなんだろうという思いもありました。曲がりなりにもお金取って教えているプロが不本意な結果に終われば、それはそれでやっぱり恥ずかしいし、でも、自分の中ではやはりいちプレーヤーとして、いつまでも弾いていたいし、挑戦だってしたい。
そんなこんなで随分と葛藤していましたが、教室を始めてから参加したコンクールは、運良く今のところ結果が出たものばかりなので、結果論にはなりますが挑戦しておいて良かったと思っています。まあ、落ちてもそれはそれで。
南海の野村克也じゃないけど、まだまだプレイングマネージャーで居たいんですね、結局。
閑話休題。
静岡(自宅)、富士での個人レッスンのほか、最近は他にもアンサンブルの指導や、部活動の指導なんかもやるようになり、全部含めると80人以上は教えていることになります。かなりの人がレッスンに来るようになり、今では胸を張って「ギターの先生です」と言えるようにはなったかなと思います。
教える科目も、当時はクラシックギターだけでしたが、今はアコースティックギター、エレキギター、ウクレレと増えました。私自身、もともとエレキギターから始めて、アコースティックギターを経由してクラシックギターの世界に入ったのが、また戻ってきたという感じです。
どれも中途半端になるのでは?と思ったこともありました。でも簡潔に言うと、どれが一番好きとかではなく、みんな一番好き!です。「ギタリスト」と名乗ってるからには、やはり全部のギタージャンルに精通していたいし、音楽オタクでいたいし、それが私には楽しいし。ごった煮だっていいじゃないですか。
最後に。
自分でも不思議ですが、よく5年(実質的には4年)でここまで大きくなったなと思います。よくスポーツ選手などが言う「みんなの力で勝てた」という殊勝な言葉、正直嫌いなんです。お前の力じゃないか、はっきり言えよと。でも今ならわかる気がします。自分の力なんてちっぽけなもので、家族や仲間の助けが非常に大きいことを。特に師匠には本当に感謝しています。
10年、20年と続く教室になればいいなと思いますが、まあそんな甘くはないです。そんな時こそ「人間万事塞翁が馬」という言葉を思い出し、油断せず何があっても動じず、肩の力を適度に抜きつつ、これからも励んでいきたいと思います。
引き続き当教室をどうぞよろしくお願いいたします。
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